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Leicester SquareにあるPrince Charles Cinemaは、
東京でいえば飯田橋ギンレイホールとか下高井戸シネマみたいな映画館。
ちょっと前にロードショー公開された映画や、古い映画なんかを公開していて、
平日の昼間なら£3、夕方以降だと£4(会員になればさらに割安)、
また金曜日は終日£1で観られる。

先週の金曜、クラスメートのリエちゃんとカナエちゃんと
学校帰りにここで映画でも観ようということになったんだけど、
ちょうど私たちが行った時間にやっていたのが
「American Haunting」というホラーだった。
まあ、ホラーなら万一英語が聞き取れなくても大丈夫そうだし、
なんといっても£1だしいいか、ってことで観たんだけど、
ホラー同好会(長期休会中)会員としては、
唾、じゃなくて毒を吐かずにはいられないほどRubbishな映画で参りました。

それはさておき。

今日も学校帰りにこの映画館に足を運びまして、
「THE DEVIL AND DANIEL JOHNSTON」を観てきました。
テキサスが生んだ孤高のぶっとびシンガーソングライター、
ダニエル・ジョンストンの半生を描いたドキュメンタリーなんだけど…面白かった。。。
「ハロー、僕ダニエル・ジョンストン。これ僕のアルバム『ハイ、ハウアーユー』だよ。
 これを録音したときは神経衰弱だったんだ」
なんてMTVのカメラに向かってにこやかに語りかけ、
カセットに録音した音源を自ら宣伝していた若者も、いまや40代のおじさん。
長年にわたるマクドナルドでのバイト(しかしまともに働けないのでずっと掃除担当)、
おばけのキャスパーをはじめとするカートゥーン愛好、目玉のイラストへの執着、
信仰心の篤い家族、多くの歌のモチーフとなった、報われることのない初恋の女性への
強い思い、膨大な量のカセットテープ(いわゆる音声ダイアリー。自分の日常や心境などを
子供の頃から逐一テープに録音しているのだ)、獄中で作った傑作ペプシソング……。
いまだ何かにとり憑かれているナイーブで5歳の子供みたいな鬱病のおじさんは、
ピュアでねじれていて偏っていて相反するものが同居していて、
なんというか、ある意味ものすごく「現代のアメリカ」という感じがした。

子供の頃に怖いと感じたものって、大人になってもやっぱり怖いものだと思う。
子供の頃キライだった食べ物って、大人になると食べられるようになったり、
好きになったりすることも多いけど、恐怖心というのはなかなか克服できず、
むしろ形を変えて肥大化するような気がする。
誰でも何かしら苦手なもの、怖いと感じるものがあると思うけど、
その恐怖心って、子供の頃の体験(それは大人が見逃してしまうような、
すごくささやかなものだったりもする)にすごく密接に通じていると思うのですが、どうでしょうか。

●today's music:DANIEL JOHNSTON/SOME THINGS LAST A LONG TIME
映画のエンディングに流れていてちょっと感動。久々にアルバム「Hi,how are you?」が
聴きたくなったけど、CDは日本の実家だ…。ううむ。

by satoritti | 2006-06-05 09:13 | film

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