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晴れ

午後、久しぶりにAshと会って、ランチ。

一週間ほど前の朝、Tottenham Court Road近くのバス停でバスを降り、
歩き出した途端に名前を呼ばれ、声のほうを振り向くと、そこにAshがいた。
キャーキャーキャーここで何してんのー? ってな具合に二人して興奮。
よくよく話を聞いてみると、彼女がいま勤めている学校は、
私がよく利用しているそのバス停の真ん前にあったのだった。
しかも彼女、火曜と木曜は午前と夜に授業があり、日中はフリーだという。
そんなわけで、近々ランチでもしようと約束したのだった。

しかし、こういうのも縁なのかなあとつくづく思う。
Ashとは本当にこういう偶然が多いんだよね。
この広くて忙しくて人がいっぱいのロンドンでは、こういう偶然ってそう多くはないので、
やっぱりちょっとなんかあるんじゃないかしら、とか思ってしまいますよ。

さて、久々に会うというのに私は体調がいまひとつで、
顔はむくんでるし、疲れてるし、あごに吹き出物はできてるしで、
パワーレベル65/100というところだった。
で、笑っちゃうことにAshも珍しくおでこに吹き出物をつくっていて、
会って5分もしないうちに、

A「今日ね、ティーンエイジャーみたいな吹き出物ができてるの! 
  こんなのできたこと、今まで滅多にないのに!」
S「ああ、私もほら、ここに吹き出物できてんだよね」
A「でも1個でしょ? あたしなんか500個ぐらいできてんだから! しかもさ、
この数週間、普通にキレイだったのに、今日に限ってこんなブサイクなんだよー。
今日会うのを楽しみにしてたのに、そんな日に限ってティーンエイジャーみたいな、
にきびヅラなんだよー!」
S「わかるわかるー。あたしもさ、今日、体調よくないの。疲れてるし、眠たいし、体は重いし。
でもあたしも今日に限ってこんななんだよ。普段はもっとキレイなんだよ!」
A「だよねだよねー! いやあー、口に出したらちょっとすっきりしたあ。まあ、
まだブサイクには変わりないけどね、気分がすっきりしたよー。じゃあさ、来週また会おうよ。
そしたら二人とも可愛くなってて、自信満々で会えるでしょ(笑)」

と、会って早々「久しぶりに会う今日に限ってブサイクである」言い訳をし、
慰め合い、ゲラゲラ笑いあった私たちなのであった。

近況報告をしながら、あてもなく歩いているうちに、
チャイナタウンのあたりまで来てしまった。
いいかげん、どこでランチするか決めようということになり、
結局、安くてボリューム満点の日本食「みさと」に入ることになった。
ここは本当にハンパじゃなく量が多いので、メインの一品(鶏唐定食)と
前菜二品(出し巻き卵と枝豆)を頼んで二人でシェア。それでもかなりお腹いっぱいに! 
そのあと、変わった食材を見たいというAshの要望に応えて、
チャイナタウンにある中華食材の店や、
ジャパセン、らいすわいん等の日本食材店などをハシゴ。
今度一緒に買い物して、ご飯つくって食べよう!なんて言って盛り上がった。

そんな矢先、またビックリ仰天なことに、かつてのクラスメート(Ashにとっては教え子)であり、
その不思議発言の連発で学校中の先生を恐れさせた(?)韓国人のマリアに遭遇!
いや、何がビックリかというと、実は先週、Ashに偶然会った日の午後、
またまた突然誰かから声をかけられ、誰かと思いきや、それがマリアだった、
といういきさつがあったのである。つまり私は先週に引き続き、
またしてもマリアに偶然会ったってわけなのだ。
しかも、先週のマリアとの偶然の再会をAshにも話したところだったので、
二人してビックリしちゃったんである。

このマリアという人は、齢40代後半にしてバツイチ、子持ちの不思議ちゃん。
言っていることがいつも意味不明。でも意外と根はしっかりしていたりするという、
良くも悪くも常人離れした個性の持ち主なんだけど、先日、約一年ぶりに会って
とにかく驚いたのは、彼女がバービー人形みたいな金髪ボブのかつらを被っていて、
しかも着ている物も人形みたいな感じ(膝丈スカートに白タイツとか…)で、
ど、どーしちゃったのその格好…と、ここまで出かかったけど、
さすがの私もつっこめず、というイデタチだったってことなんである。
しかも彼女は一人で歩いているときも、いつもウフフって感じで笑っているので、
ますます怪しさ倍増だったってわけ。

マリアが私たちの後ろを歩いてることに真っ先に気づいたAshが、
パニクって逃げ出したので、私もつい、つられて逃げてしまった。
しかも衝撃と動揺を隠せないAshは、遠くから何度もチラチラと彼女を盗み見るという、
どーにもこーにもお行儀のよろしくない態度。
で、途中からいたたまれなくなり、そそくさとその場を立ち去った私たち。
「別にあたしたち、逃げることなかったんじゃない? マリアも気づいてたかも」
「そうなんだけどさ、パニクっちゃったんだよ! だって、聞いてはいたけど、
 あのアタマ……変!!」
そーなんだよねー。あのヅラには、思わずビビッてしまうんだよねえ…。
しかもまた、うっすら笑ってたし…。

しばらくしてAshが言った。
「マリアってさー、ほんとにクレイジーじゃない? 当時Zacなんか、
ほんっとにー彼女のこと嫌ってて、いやほんと、傍から見てて笑っちゃうぐらい嫌ってたんだよ。
大人になって、あんなふうに子供みたいに誰かのこと嫌いだ!って言ってる人って、
そうそういないだろってぐらいだったんだから(笑)。
たしかに彼女って、授業は妨害気味だし、何考えてるのかよくわかんないし、
先生の立場としてはやりにくいんだよね、ああいうタイプってさ。
でもさ、私があの学校辞めるとき、彼女、手紙をくれたんだよね。
それがすっごく思慮深い、心のこもった手紙だったの。彼女のライティングって、
いつも支離滅裂で添削するのに困っちゃったもんだけど、その手紙を読んで私、
ああ、この人は、ハートは大丈夫な人なんだなって、わかったんだ」

マリア、ごめんよー、逃げたりして。でもそのカツラは、やっぱりどうかと思うよ。

●today’s photo:Brick Laneにて
マリア騒動_d0031955_4243061.jpg

by satoritti | 2007-10-04 04:15 | days

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