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前回のつづきです。

その3:BM企画展「Statuephilia
大英博物館1階のエントランス/Room1/Room4/Room17/Room24に、
古代の遺品などに混じって現代の英国を代表する5人のアーティストの作品が
点在しているユニークな企画。

エントランス:Antony Gormley/Case for an Angel 1
あまりに大きくて、なんと最初は見逃していた。
彼の代表作「Angel of the North」の前身となった作品らしい。
「古代エジプトの彫像やアッシリアの人面有翼の雄牛像、キリストの受難、そして
ローマのカリアテッド(女人像柱)など、大英博物館所蔵の多くの作品と共鳴しています」
とは、博物館側のコメント。
写真を撮るには撮ったのですが、暗いので掲載は控えます。

Room4:Tim Noble and Sue Webster/Dark Stuff
遠目で見ると、2本の大きなドライフラワーか何かに見えますが、
近くに寄ってみてギョッ。いろんな小動物の屍骸でできた塊なのです。
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この作品は、もともとTimのお母さんが3年前に子猫を数匹飼い始め、
その子猫が毎日とってくる獲物(=ねずみやリスやカエルなどの小動物の死骸)を、
二人が箱に入れてとっておいたことに始まるんだとか(なぜとっておこうとしたのかは
謎ですが…)。そしてある日、BMを訪れた二人は、古代エジプト人のミイラへのこだわり、
動物および動物の体の一部に対する執着などに目を留め、
自分たちの「死骸」を作品化するヒントを得たそうです。

Room17:Marc Quinn/Siren
話題の「純金ケイト・モス」です。いろんな角度からどうぞ。
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ギリシャ神話の海の精、セイレンに名を借りたこの作品で、
Marc Quinnはケイト・モスを「現代の女神」として描きました。
彼が70年代に初めて触れたアートワークの一つである
ツタンカーメンのマスクからもインスピレーションを得ているようです。
古代の遺跡にまじって、何の違和感もなく鎮座しています。
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Room24:Ron Mueck/MaskⅡ
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モアイ像の下でぐうぐう眠っている男性の頭部。モデルは作家本人らしいのですが、
とにかく巨大、しかも毛の生え際や眉間のしわに至るまで精巧で、すごいインパクトです。
Ron Mueckという人は、スケール(縮尺)に非常に関心を持っているんだそう。
小さいものは大きく、大きいものは小さくつくる――確かにそれだけで目を引きますね。
モアイ像とも完璧にマッチしています。二つ一緒に見ていると、
現実と非現実の境目がなくなるような感じで、なにか悠久のロマンさえ感じてきます。

Room1:Damien Hirst/Cornucopia
「Enlightenment Gallery」と呼ばれる図書ルームのガラスケースの中に、
200のスカル(プラスチックにスピン・ペイント)がずらりと並べられており、壮観。
ダミアン・ハーストのスカルへのこだわりは、もともと博物館のコレクションに
影響を受けたことにはじまり、かの有名なクリスタル・スカルなどもその一つだそう。
残念ながら写真撮影不可でした。

以上、BMの企画展でした。たった5作品ながら、
宝探し気分で回れて、なかなか面白かったです。

その4:V&A Museum of Childhood友人来英!Part2_d0031955_13493374.jpg


ナリが日本で仕入れてきた情報。私は存在さえ知りませんでしたが、
行ってみると、以前何度か通ったことがある道にあり、
大きな建物なのに(または大きいゆえに)見逃していたのが不思議。
しかも名前からわかるとおり、V&A系列です。
閉館時間の1時間前ぐらいに着いたんだけど、思っていたよりハマリ度が高く、
しかもショップに夢中になってしまい、最後は全然時間が足りず、
全部見切れないままでした。
それにしても、昔ながらのへんなものがいっぱいあったなあ。
ここは「こどもミュージアム」というより、「昔こどもだった人のためのミュージアム」
と言ったほうがいいとおもう。
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(もう少しだけつづく)

by satoritti | 2008-12-18 11:33 | art

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